歌のパートがある場合、必ず作詞をする必要がありますよね。
でも、「作詞したいけど、何から書けばいいのかわからない」
と悩む人は多いはずです。
私もそれがわからず、歌詞を書いては消してを繰り返していました。
そうして、試行錯誤して何曲も作詞をしていき、やっとその作り方やコツがわかってきました。
そこで、今日は初心者でも作詞ができる、方法、手順、歌詞を書くために必要な基本的なテクニックやコツについて解説します。
もくじ
作詞の手順
まずは、作詞の手順を解説します。
正しい手順を踏むことで、「何から始めればいいかわからない」と悩むこともなくなります。
歌詞のテーマを考える
作詞をする時、最初にすることはテーマを決めることです。
これが最も大切です。
これをしっかりやらないと、何を伝えたいのかわからない歌詞になってしまうからです。
作詞のテーマは、恋愛、友情、家族、別れ、出会い…など無数にあります。
壮大なものでなくても構いません。
その時自分が書きたいと思ったテーマで歌詞を書きましょう。
テーマを深堀する
次にテーマの深堀をしてみましょう。
これをしっかりやると、歌詞の世界観、方向性が明確になり、作詞しやすくなります。
例えば、「恋愛」というテーマに決めたとして、それは両思い、片思い、失恋なのか。
色んなパターンがありますよね。
どんな恋愛をテーマにしたいのかよく考えてみてください。
これは、例えば昼食でラーメンが食べようとした時、醤油か味噌か、塩、豚骨どれにしようか決めますよね。
作詞もこれと同じです。
大まかなテーマを決めたら、更にそのテーマを深堀して歌詞の方向性を決めるのです。
作詞のテーマを深堀すると、確実に作詞しやすくなります。
時間軸や視点を決める
次にやるのは歌詞の時間軸と視点を決めることです。
先程の恋愛のテーマの歌詞だとして
それが過去なのか、現在か、未来なのかいつのことを言っているのかしっかり決めましょう。
そして、歌詞の視点も決めていきましょう。
その歌詞は
・私なのか
・あなたなのか
・私でもあなたでもない第三者か
この2つを決めることで、曲の世界観を伝えやすくすることができるようになります。
これも先程のラーメンを食べに行く話を例えると
・何時に行くのか
・どこのラーメン屋さんに行くのか
考えてからラーメンを食べに行きますよね。
作詞もこれと一緒です。
この物語は「いつの、誰からの話をしています。」
ということを最初に決めることです。
時間軸や視点を決めることで歌詞の世界観が聞き手に伝わりやすくなります。
主人公の設定を決める
次に、歌詞の主人公の設定を決めましょう。
主人公の設定を決めることで、歌詞の言葉選びも変わってきますからね。
例えば主人公が
・都内の公立高校に通っている
・高校3年生の女子
・受験勉強中だが、片思いをしている
という設定だったとします。
それを踏まえて、作詞すると例えばこんな感じ。
高校最後の学年 受験勉強に追われる
片思いの君が頭から離れないよ
どっちつかずで中途半端な私
例えばこんな感じ。
歌詞を読むだけでイメージか浮かぶと思います。
他に登場人物がいる場合、その人達の設定もしっかり決めておくといいです。
リスナーも
「こんな人が主人公なんだ」
「主人公の周りにはこんな人達がいるんだ」
と伝わった方が歌詞に共感しやすくなります。
主人公や登場人物がどんな人かわからない物語なんて、共感しようがないですからね。
このように、主人公の設定を先に決めておくと歌詞が格段に書きやすくなります。
歌詞の構成と展開について
次に、歌詞の構成や展開を決めていきましょう。
よくあるJ-POPの基本的な構成は
イントロ
Aメロ→Bメロ→サビ
間奏
Aメロ→Bメロ→サビ
アウトロ
のような構成が多いです。
ここで大切なのは、パートにあった歌詞を当てはめていくことです。
Aメロの歌詞の考え方
Aメロは、曲の入り口になるパート。
物語のあらすじがわかる内容を書くようにしましょう。
自分の曲を例に出しますね(笑)
例
長い連休ダルさが残る
また乗らなきゃならないんだな
7:30の満員電車身動き取れないまま
山田啓太 とけてく より
主人公の心理状態や、満員電車の情景がはっきり浮かんできますよね。
このようにAメロの歌詞は、「主人公の人物像」「歌詞の視点」がわかるように書くといいです。
こうすることで、曲の導入部分から聞き手を曲の世界に引込めますからね。
Bメロの歌詞の考え方
Bメロは、Aメロとサビをつなぐ重要なポジションです。
ここでは情景描写を取り入れて、世界観をよりわかりやすく伝えたり、サビへ向けて、物語を加速させるような歌詞を書くといいです。
例
急ブレーキでふらついた
思わずひじが隣の君の肩に当たってた
何も言わぬまま強い舌打ちをされた
山田啓太 とけてくより
満員電車の状況と主人公と第三者の情景が浮かぶ歌詞ですよね。
このように、Bメロは、情景描写を入れたりすることで、サビへと物語の続きが気になるようにさせる役割があります。
サビの歌詞の書き方
サビは、歌詞の中で一番伝えたいこと、表現したいことを書くパートです。
シンプルかつ、ストレートに伝えたいことを書きましょう。
例
とけてく とけてく とけてく Ah
アイスクリームのように
何も言えないまま過ぎ去ってくだけ
とけてく とけてく とけてく とけてく
とけてく 山田啓太
この歌詞は、相手に話しかけようとするも話しかけられない、切なさが感じる歌詞で書きました。
このようにサビの歌詞は一番伝えたいことをしっかり書くことで、聞いている人の印象に残るようになります。
1番と2番の書き分けについて
多くの場合、1番と2番で歌詞は変わってきます。
ではどのように書き分けるかと言うと
例としては
「1番は過去 2番は現在」
というように時間軸で書き分ける方法があります。
ほかには、「1番は僕(私)からの目線 2番は君(あなた)からの目線」という感じで歌詞の目線を書き換える方法もあります。
目線が変わると、歌詞の印象も変わってくるのでこれもおすすめです。
メロディに対する歌詞の字数の合わせ方
どれだけいい歌詞がかけても、メロディに乗せられないと意味がありません。
だから、作詞をするときはメロディに歌詞の文字数を合わせるということが重要です。
この時、1つの音符に対して母音1つと考えると載せやすいです。
※母音=声が口から出るまでに、声の通る通路や舌や唇で妨げられない時の音。ローマ字表記するとa、i、u、e、oの5つ。
例えば、「ちゅ」だと、「chu」だから母音は1つになります。
つまり、1つの音符に乗せられます。
では、「だって」だとどうでしょうか。
「datte」だから2つの音符とかと思うかもしれません。
正解は3つの音符に乗せられます。
小さい「っ」は促音(促音)と言って1音と捉えられるから、3つの音符に乗せることになります。
他には、言葉を伸ばす「ー」と「ん」も1音として捉えます。
こうやって母音と促音を意識するとメロディに歌詞が乗せやすくなります。
歌詞に使える4つのテクニック
様々な作詞のテクニックを効果的に使うことで、歌詞の表現力、インパクトが大幅に上がります。
ここでは、4つのテクニックを紹介しますね。
韻を踏む
歌詞の頭、もしくは最後の言葉の母音を揃えるテクニックです。
J-POPやラップでよく使われています。
例えばOffical髭男dismのPretenderでこのテクニックが使われています。
君とのラブストーリーそれは予想通り
という歌詞で韻を踏んでいます。
「ラブストーリー」「予想通り」
二つともriで終わってますよね。
これが韻を踏むことです。
反復法
何度も同じフレーズを繰り返すテクニックです。
同じメロディーが連続で続く時に、反復法を使う事で、印象的な歌詞が書けます。
例えば、THE BLUE HARTSの「リンダリンダ」が、良い例です。
サビで繰り返される”リンダリンダ”という歌詞。
意味が分からなくても「リンダリンダ」という歌詞は、かなり印象に残りますよね。
こうやって、反復法を使って書かれた歌詞は同じ言葉を何度も繰り返す事で、聞き手の印象に残ります。
倒置法
目的語を、フレーズの頭に持ってくるテクニックです。
倒置法を使う事で、インパクトのある歌詞を書く事ができます。
このテクニックを使って書かれた、歌詞の実例を挙げます。
Base Ball Bearの愛してるという曲です。
愛してる 君を 間違いはないはず
っていう歌詞に、倒置法が使われています。
この歌詞、文章として考えると
“間違いなく君を 愛してるはず”
っていう方が、自然ですよね。
でも、倒置法を使って、目的語の「愛してる」という言葉を、先頭に持ってきています。
そうする事で、インパクトのある歌詞に仕上げることができます。
比喩
何かに例えるテクニック。
敢えてストレートに表現しない事で、聞き手に歌詞のメッセージを伝えやすくするテクニックです。
私もよく使っています。
比喩をうまく使ってる歌詞で、すぐに思いついたのが、AKB48の「365日の紙飛行機」っていう曲です。
サビの
“人生は紙飛行機 願い乗せて飛んでいくよ(中略)
その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ”
という歌詞は
「誰かと競って生きるより、どう生きて、どんな選択をしたのかが大事」
というメッセージを、人生を紙飛行機に例えて、書かれていますよね。
こうやって何かに例える事で、聞き手の心に届く歌詞が書けるようになります。
まとめ
本日の記事はいかがでしたでしょうか。
話を簡単にまとめると
・テーマを決める
・テーマの深堀をする
・時間軸、視点を決める
・主人公、登場人物の設定を決める
・Aメロ、Bメロ、サビ 各パートの役割にあった歌詞を入れていく
・メロディに歌詞の文字数を合わせる時、母音を意識する
・「韻を踏む」「倒置法」「反復法」「比喩」などの作詞テクニックがある
ということでした。
今回紹介した手順で作詞をすれば、
「何からやればいいかわからない」
という悩みはなくなります。
そして、自由に作詞ができるようになります。
作詞に行き詰まった時に、この記事が役に立てたらと思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。